2020年3月11日水曜日

フレンチと日本酒のペアリングは、今は当たり前に普及していますが、私が始めた頃の18年ほど前は、誰にも邪道のように言われ、失笑も買いました。
それでも、当時の味覚と判断は正しかったと、今にして実感。
例えば、このイチゴとマンゴーソースに、サーモンとイクラを合わせたアミューズには、香りの控えめな純米大吟醸を選びました。芳香の高い酵母での吟醸酒は、フルーツの香りとバッティングしてしまいます。また、アル添の大吟醸だとキレすぎて、フルーツとイクラの微妙なコラボの味わいを消してしまいます。純米系だからこそ、美味しさを、包みます。
例えば、山名酒造の純米大吟醸 卓 がふさわしい酒でしょう。




そして、火を通すメニュー。キジバトのローストには、あえてソースに醤油をアレンジすることで、日本酒との相性を良くしました。ただし、ジビエではなく、食用のキジバトなのでクセはなく、身の柔らかさにもゆるめの山廃純米などを合わせます。
飛良泉の山廃純米などがいいですね。




また、バターやクリームを使った乳精を使ったメニューは、当然、乳酸発酵の旺盛な生もと純米などしっかりとしたコクと酸味で合わせること。例えば、萩乃露 生もと 大辛口 などですね。




つまり肝心なのは、米の旨味による酒の甘さとアルコール発酵による酸味を、料理メニューに合わせる実験と実証。
基準さえ分かれば、応用することで、フレンチやイタリアンも日本酒とペアリングができるわけです。



2020年3月9日月曜日

蕎麦と日本酒は、江戸時代から相性の良さが謳われています。
もともと蕎麦は米の作れない痩せた土地の産物で、東京に蕎麦屋が多いのは、
江戸の町が開かれた頃、蕎麦を常食にしていた上州や武州(今の栃木群馬や埼玉山梨)などから、多くの人が移民したためと言われてます。
つまりは、山間部での主食と言っても過言ではなかったわけです。
これに対して、関西はうどん食が主ですが、山間部にはやはり蕎麦が普及。
中でも、日本酒造りの杜氏の里である兵庫県の丹波は、蕎麦どころです。

丹波市市島町の「そばんち」では、素朴な手打ち蕎麦を古民家風の店内で、地元の
山名酒造の銘酒「奥丹波」を楽しめます。毎年、私は蔵元見学と新酒の利き酒に訪れた際、必ずここで、蕎麦宴会を開催しています。https://retty.me/area/PRE28/ARE107/SUB10701/100000695834/?utm_y_app_res_title





多彩なメニュー、しかもシンプルに塩だけで味わう蕎麦もあり、まさに野趣あふれる丹波蕎麦処です。