2020年5月14日木曜日

寿光イチオシの店 VOL.11 「和酒 炭火 つたや」

ようやくコロナ自粛がほどけてきそうで、関西の地場の美味しい店にも行きたくなって、ウズウズしている私です。
そんなジモティごころをそそる、ちょっと繁華街を外れた、いいお店も、コロナ明けには行ってください!
今回は、兵庫県尼崎市に近い立花駅前の、鳥料理が絶品の「和酒 炭火 つたや」さんです。お値段も、とっても美味しいでっせ!



      「開店1年にして常連客が通い詰める、鳥と酒の人気店」

尼崎市のJR立花駅前は、庶民の行き交うショッピングモールや新興マンションで俄かに活気づいている。その一画・フェスタ立花南館で、オープン1年目にして人気店となっているのが「和酒 炭火 つたや」だ。


真新しい格子戸の脇には新酒の目印である酒林が吊るされ、日本酒ファンの目を引く。上品な敷居の高い店かと思いきや、明るい店内はカウンター11席だけの庶民派。炭火を使う料理のメインは焼き鳥で、鳥取県産の大山鶏(だいせんどり)など12種類の串焼きや日替わりの肴8種。さらには骨付きラム、レバーパテといった一品など、約35種類のメニューに毎夜、日本酒ファンが舌つづみを打っている。

「立花という土地柄、価格はリーズナブルですが、うちは気風のいいお客様が多く、日本酒をよく召し上がりますよ。7:3の割合で、日本酒派が多いです。鳥料理に合う冷酒やお燗酒に向く銘柄を、常時10種類ご用意しています。お客様の平均単価は¥3,500前後とお手頃です」


丁寧に下ごしらえの串打ちをしながら、オーナー兼料理長の畑中昭範(はたなか あきのり)さんは答える。弱冠36歳ながら、串焼きこそが自分の舞台だと語る畑中さん。実は、さまざまな料理修行を経てきた逸材である。特に筆者が驚いたのは、かつて世界一周をする豪華客船の厨房で働いたこと。火力よりも蒸気を使って料理する厨房、何ヵ月もの間を海上で暮らす生活は、畑中さんにとって興味津々の世界だった。また、料理の腕前のみならず日本酒にも精通し、冬場には蔵元を巡る酒匠でもある。
「人気のブランド酒じゃなく、自分の舌で味わい、選ぶことがモットーです。私の料理も同じですが、造り手の顔が見える酒を選ぶ大切さを、先輩酒匠の方たちに教えてもらいました」
旨味と脂がタップリのった大山地鶏には生の刺身や焼き物もあるが、それぞれの美味しさとマッチする日本酒の甘辛、酸味も畑中さんには欠かせない条件なのだ。


        船上の料理人が一念発起した、串焼き料理の魅力!

意外にも、畑中さんの出身は北海道函館市。幼い頃から料理人を目指したのには、函館生まれならではの理由があった。
「私の実家は料理店で、祖母と伯父が函館市場のカニやホタテなどの専門店を営んでいます。美味しい魚介類に囲まれて育ったことが要因でしょうね」
高校生の畑中さんが目指したのは、日本屈指の大阪にある調理師専門学校。北海道なら東京へ行くほうが近かったのでは? と筆者が訊けば、どうしてもその学校へ入りたかったのと、関西弁の彼女が欲しかったと笑う。そして卒業を前にした年、学校の就職紹介で目にした豪華客船“ぱしふぃっく びいなす号”の求人情報へ釘付けになった。


「好きな料理の修行ができて、世界中を旅行できるし、船員ですから、陸上よりも給料や待遇がいい。見逃す手はないと思って、飛びつきました」
 しかし、ぱしふぃっく びいなす号は最大660名の旅客を乗せるスケール。限られた船内スペースを使った、20名ほどの厨房はまさに戦場である。畑中さんの仕事は和食だけでなく、フレンチ、イタリアン、中華からスウィーツに至り、25歳で下船するまでの7年間、八面六臂の修行を重ねた。慣れない船上生活に疲れると、医務室へ通った。そこで出逢ったのが、当時、船内の看護師を担当していた奥様だったと、はにかむ畑中さん。
「妻と一緒に、陸へ上がることを決めました。その後、和食店や居酒屋チェーン店でマネージメントの勉強をし、経営と料理の両輪を持てたことが独立へのきっかけでした」
 さまざまな料理業態を知る中、ついに将来の夢を開眼したのは、日本酒と串焼きが好評な焼きトンの店だったと畑中さんは振り返る。そのスタイルが、つたやに生かされている。



        口コミで広がる焼き鳥と日本酒、そして人柄の味わい!

 さて、つたやの看板メニューをご紹介しよう! まずは、誰もが絶賛する「とり刺し 盛り合わせ(¥780/税別)」だ。新鮮な大山鶏からさばいた肝、ささみ、ずり、心臓をワサビと生姜醤油の2種類で味わう。旨味と歯ごたえに、思わず冷酒が進んでしまうだろう。上質な大山鶏の刺身には、香りのおだやかな純米吟醸が合いそうだ。


そして、熱燗派にイチオシしたいのがじっくりと煮込んだ「とりもつ煮込み(¥380/税別)」。甘辛くてコクのある味付けは畑中さんオリジナルの味噌味で、信州味噌に八丁味噌、さらに酒粕も隠し味に加えている。純米酒の燗と楽しみたい、ツウの肴だ。


筆者がオススメしたいのは、まずは畑中さんに大山鶏の刺身と焼き物のセレクトをお任せし、それぞれに合う日本酒もアレンジしてもらうこと。そんなアテンドの美味しさも、畑中さんの人柄である。きっと、リーズナブルかつ至福なつたやタイムとなるにちがいない。ちなみに、日本酒だけでなく、焼酎12種類のほか、ビール、ソフトドリンクも充実している。
つたやに至近なJR立花駅は、大阪駅からなら15分。客席は11席だけに、まずは電話予約がグッド! さて、今夜はひと足伸ばして、立花へいかがでしょう。

兵庫県尼崎市七松町1-3-1 フェスタ立花南館141 
電話:06-6430-9411
営業時間: 17002400
定休日: 日曜日

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