2020年5月3日日曜日

寿光イチオシのうまい店 VOL.9 「出雲そば 炭火やきとり とびた 新町店」

島根県知事のGW期間中の来県自粛コメントが、斟酌の気遣いにあふれているとSNSで高評価されています。
なるほど、神出ずる出雲の国ですし、不昧公のような文化知見にあふれるお殿様が育んだお国柄でしょうね。
そんな島根県の美味と美酒をふんだんに味わえる、大阪の人気店が「出雲そば 炭火やきとり とびた」です。今回は 新町店をご紹介! 出雲蕎麦はもちろん、日本海や宍道湖の珍味も! コロナが収束したら、ぜひ、ご来店をお願いいたします。


        VOL.9 「出雲そば 炭火やきとり とびた 新町店」

         “まるごと出雲”を満喫する、地産地消の美酒どころ。

大阪市のど真ん中、新町界隈は江戸時代から昭和の頃まで、長きにわたってなにわの商売を牽引する老舗街だった。時代は変わり、今は、こぢんまりとしたカフェやブティック、居酒屋がひしめき、若いオーナーたちが個性で勝負するエリア。今回の取材店「出雲そば 炭火やきとり とびた 新町店」も、珍しい出雲づくしの料理と地酒が人気を呼んでいる。開放的でシンプルな店構えの店内は、テーブル20席、カウンター4席。壁に貼られた島根県の観光PRポスターだけでなく、30種類ほどの地酒ラベルには、筆者のみならず、ゲストの誰もが見惚れるにちがいない。



「島根産の食材と地酒へのこだわりが、当店のテーマ。宍道湖や日本海の肴、そして、自家製の出雲そばがビジネスマンのお客様に好評です。鳥料理は、旨味と食感がすばらしい山陰産の大山地鶏を使っています」
若々しい容姿で語ってくれたのが、オーナーの飛田明応(とびた あきまさ)さん。10年前に30歳で大阪市内の谷町6丁目に本店を開業。ここ新町店は2店舗目という起業家 兼 料理人で、鳥料理40種類、一品40種類、そばは温冷含めて20種類と豊富だ! すると、インタヴューする脇から店長の前川泰司(まえかわ たいじ)さんが、タイミングよく朱色の丸いわっぱを重ねた出雲名物の“割子そば”を出してくれた。
「この割子そばの麺は、飛田社長のお父さんが手造りしています。社長の実家は、松江市で老舗の製麺店だったんですよ」
我がことのように自慢する前川店長に、はにかみながら飛田社長が頷く。息の合った二人に信頼関係を感じながら、肩肘張らず寛げる「出雲そば 炭火やきとり とびた」の人気を垣間見た。聞けば、二人とも松江市の出身。しかも幼なじみの同級生で、郷里から同じ大阪の大学へ進学した間柄である。そんな二人の素性を知ってか、ゲストには島根県出身者も多く、とりわけ地酒のセレクトは前川店長の役割。



「銘柄は、島根県の純米酒が中心です。冷酒向けの淡麗辛口をメインに2730種類、ご要望があるので無濾過生原酒も数種類を用意しています。大阪では手に入りにくい銘柄は蔵元さんから直接、入手していますよ」
 前川店長いわく、それぞれの地酒を料理メニューとペアリングして召し上がって頂くのも、島根の食と酒をイチオシする“地産地消“が看板の「出雲そば 炭火やきとり とびた」の魅力だ。余談ながら筆者は、飛田社長の名刺に、もう一店舗「出雲そば マルト」の名前を見つけた。これは? と訊ねれば、そば造りの職人である父親を大阪へ呼び、中央区島町で始めた出雲そば専門店と答える。
「私の実家は、昭和2年(1927)に創業した製麺店でしたが、残念ながら平成22年(2010)に3代目の父が閉めました。私は1軒目のとびた谷町店に、出雲から父の造るそばを仕入れていたので、大阪でそば造りの腕をもう一度、生かしてもらおうと思ったのです」
親孝行な美談! 思わず筆者の聞き込みに熱が入り出した。


        故郷の島根に錦を飾る夢を、父と親友とともに!

いわば、刎頸の友の間柄である飛田社長と前川店長。同じ大阪の大学を卒業後は別々の道へ進み、飛田社長は学生時代からアルバイトに励んだ焼鳥店へ入社。8年間の修業を経て、平成20年(2008)に独立し、中央区谷町6丁目に1軒目をオープンした。郷里の父親が作る出雲そばと自身のこだわる鳥料理で順風満帆な業績となり、3年前、2店舗目の新町店を手がけた。ビジネス客の多いオフィス街の本町や心斎橋近くでなく、新町を選んだのは何故かと、飛田社長に訊ねてみた。


「かつて私が修業した焼鳥店は、新町だったんですよ。この町の雰囲気が好きですし、地域性を分かっていますからね」
とニッチな店づくりを飛田社長は打ち明ける。そして、ここへ常連客として通っていたのが、飛田社長の親友で整体師だった頃の前川店長。当時、島根へのUターン就職も検討していた前川氏に、飛田社長は忌憚なく、店長として働かないかと声をかけた。
「島根人の気質とこだわりが、うちのリーダーには必要です。それに、彼とは学生の頃からずっと、あ・うんの呼吸ですから、任せて安心だったんですよ」
 目と目で語り合うかのようにインタヴューに応じる二人に、島根人らしい素朴な優しさがにじんでいる。
数年後、「出雲そば 炭火やきとり とびた 松江店」が誕生すれば、飛田社長の先祖から受け継ぐ出雲そばと前川店長は、ともに故郷へ錦を飾ることだろう。



      島根の肴、大山地鶏、〆の出雲そばの三拍子に、出雲酒!

さて、まるごと出雲の代名詞である「出雲そば 炭火やきとり とびた 新町店」の平均客単価は、リーズナブルな¥3,500前後。その看板メニューを紹介しよう! まずは、出雲の地酒と堪能してもらえる「練り物3種(¥750/税別)」。付き出しとしてもってこいの珍味で、トビウオを使った竹輪“あごの焼き”、それに野菜を加えた“あご菜天”、そして、日本海で獲れた魚のすり身に赤唐辛子を練り合わせた“赤天(あかてん)”だ。この一皿は、スッキリとした口当たりの純米吟醸とやってみたい。



そして、〆の人気メニュー「5色割子そば(¥1,500/税別)」は、わっぱを分けると思わず喉が鳴る。飛田社長の父親が手造りする自慢の出雲そばに、とろろ芋、おろし大根、揚げ玉、卵、板ワカメの5種類がトッピングされて、食べ応えも充分! むしろ日本酒ツウなら、これをツマミに出雲の地酒を飲みたくなるだろう。筆者は、ぬる燗の純米酒を傾けながら、風味豊かな出雲そばを楽しみたい。



大阪市内のど真ん中で、まるごと出雲を味わえる美酒どころ! 「出雲そば 炭火やきとり とびた 新町店」で、今夜はゆったりと酔いしれてみませんか。

■出雲そば 炭火やきとり とびた 新町店
大阪市西区新町1-8-19
電話:06-6533-5250
営業時間:昼11301400
     夜17002400
定休日:日曜日





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