2020年6月4日木曜日

寿光イチオシの店 VOL.14 「Ristorante Heiju」

春から初夏の旬の食材を実感する、ようやく気持ちの余裕が出てきたコロナ解除。
ランチとちょい飲みを兼ねた、イタリアンで日本酒!
そんなオシャレな日本酒タイムを楽しみたくなる絶品リストランテ、大阪市福島区の「Ristorante Heiju(ヘイジュ)」を紹介します。



至高のペアリングで魅了する、オンリーワンのイタリアン割烹。


誰にも教えたくない、とっておきの料理店。筆者が、この言葉を実感するイタリアン割烹をご紹介しよう。
場所は、梅田からひと駅の福島。ここ数年、天満と並ぶグルメスポットとして脚光を浴びているが、今回訪れたRistorante Heiju(リストランテ ヘイジュウ)がある界隈は、思いのほか閑散としている。下町の風情を残す通りに、瀟洒な雰囲気のHeijuの玄関を見落としてしまいそうだ。20146月にオープンし、グルメの口コミによれば「繊細すぎるほどの料理と酒のセレクトに、サプライズ必至!」と噂のHeijuは、完全予約制。若々しいオーナー兼シェフの吉野平十(よしの へいじゅう)さんの口から、驚きの言葉が飛び出す。


「当店は、料理も酒もメニューを用意しておりません。2つのコース(¥7,000と¥10,000/いずれも税・サ込み)のみですが、一人として同じ料理をお出ししない主義です。お酒は、100種類ほどストックしているワインの中、私がセレクトしてお楽しみ頂きます。日本酒は、一銘柄のみです。Heijuのコンセプトは、料理と酒のペアリングにあります」
はにかむような笑顔の端に、自信のほどが見え隠れする。料理のレシピは、その日の食材の仕入れによっても変わり、直前まで決めない。いつでも吉野さんの腕前と舌にかなう最高の食材を用意し、その旨味を生かした究極の美味しさを、千変万化に演出するためである。とりわけ魚介類にこだわる吉野さんみずから「イタリアン割烹」と呼ぶHeijuのゲストは、リピーターが多い。食通のゲストの舌と好みを吉野さんはつぶさに考え、毎回、趣向を凝らしたレシピで、もてなしているのだ。食材の目利きには、かつて大阪市中央卸売市場の鮮魚店で働いた経験が物を言う。


「イタリアンの店やホテルで修業しながら、中央市場で屈指の鮮魚店を掛け持ちして働き、自分の店を持つ夢に向かっていました。今も、その鮮魚店から食材を仕入れていますよ」
吉野さんが固いきずなを結ぶ鮮魚店からは、数少ない旬の魚や海産物が届き、その希少価値にも、Heijuに惚れ込む健啖家は舌鼓を打つ。日々、至高のイタリアン割烹を探求している吉野さんだから、さぞかし食べ歩く機会もあるはずと訊ねれば、意外な答えが返された。
「私、料理人仲間が少ないんです。まずは、自分が師匠と仰ぐ方とお付き合いさせて頂く主義。だから、Heijuに同業者のお客様はいらっしゃいませんし、グルメ雑誌などにも紹介されたことがありません(笑)」

 料理学校を卒業して、Heijuをオープンするまで、ひたすら自分を鍛えながら、脇目も降らず、着実に目標を達成してきたと語る吉野さんだけに、孤独な時も長かったはず。興味津々な吉野さんのプロフィールは後述するとして、筆者は、ありきたりな食雑誌やwebに、Heijuを紹介して欲しくはない。吉野さんの食と酒のペアリングをこの雑誌読者も一度体験すれば、納得するにちがいない。


勤勉努力と食育に支えられた、孤高のプロデューサー。

28歳でHeijuをオープンした吉野さんは、その繊細な料理と同様、30歳までには自分の店を持つ夢に向かって緻密な計画・設計を描いてきた。大阪の調理師学校を卒業後、数軒のイタリア料理店、一流ホテルの厨房で洋食修業を重ねながら、中央卸売市場の鮮魚店で早朝から働いた。寝る間を惜しむ努力を積み、個性あふれるイタリアンを追求。さらには、ワインに精通するため、北新地のワインバーに勤め、ソムリエの資格を取得している。着実に、スピーディーに歩む吉野さんの勤勉さが顕す才能に師匠たちは目をかけたが、同僚や先輩の一部は反目して、嫌われたり、妬みも買ったと振り返る。


「それでも、自分は常に最低のレベルで、上を目指すポジションが私の流儀なんです。『お前の作る料理は、本当に美味しいよ』と、いつもお客様の喜ぶ声が聞きたい。そのためには、自分の生きざまを曲げません」
 確固たる吉野さんの流儀には、少年時代の菓子作りと食通な父親の影響もあるようだ。母親の作るクッキーを真似して作り、友人たちへふるまったところ「超うまい!」と太鼓判を押された。百貨店のグルメ催事などの設営を仕事にしていた父親は、全国の美味を知り尽くし、魚介類は獲れ立て自慢の魚屋でしか買わず、家庭のおかずに本物の食材しか口にしなかった。いわば、“食育”に恵まれた家庭に育った吉野さんだからこそ、Heijuが生まれたと言っても、過言ではない。



「また来たい!」と言わしめる、感動と口福のメニュー。

さて、Heijuのコースから2品を紹介しよう。さりながら、その日、そのゲストごとに吉野さんが考え出す口福のメニューは、この限りではない。まずは「北海道産うにと黒丹波枝豆 フルーツトマトジュレを添えて」。甘味たっぷりな北海道の砂川産フルーツトマトの果汁をしぼり、ジュレに仕上げている。うにの甘味、丹波枝豆の風味が、白ワインに合いそうだ。日本酒は、山田錦の吟醸タイプがふさわしい。


そして、「長崎産めいち鯛と香川野菜のカルパッチョ」も白ワイン、日本酒でも楽しめる。めいち鯛は、地元の長崎でも手に入れにくい魚で、中央卸売市場からの逸品だ。


とにかく理屈抜き! まず食べて、飲んでみるべき、知られざる究極のイタリアン割烹! 平均客単価は、¥10,000前後。
 梅田から至近の福島で、今夜は、新しいお気に入りにHeijuを加えてみませんか。

■Ristorante Heiju
大阪市福島区福島3-12-5 1
電話:06-6147-2188
営業時間:18002300(ラストオーダー/2200
定休日:毎週火曜日、毎月1回水曜日(不定)
    *ご予約があれば、営業いたします。

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