2020年4月30日木曜日

寿光イチオシのうまい店 VOL.8 「酉丸」

さて、非常事態宣言が延長されるとのこと。ますます、飲食店の皆さんは、ご苦労が続くと思います。でも、コロナ収束の時には、御贔屓の客さんが萬来されることを願っています。
そんな思いをこめて、関西のイチオシ日本酒と料理のうまい店の記事を配信しています。今回は6年前の記事になりますが、パナソニックの街・門真市で、現在も人気の高い焼き鳥の名店「酉丸」さんです。
自粛期間はテイクアウト料理やお弁当もやってますので、ぜひ、ご注文をお願いします。https://www.facebook.com/toshiyuki.nakao

       

        門真への愛と食にあふれる、地産池消の炭火料理店。

地鶏の焼ける香ばしい匂いに、老若男女が笑顔をほころばしている。ありきたりな焼鳥屋とはひと味ちがう、シックなダイニング風のカウンター席。そこに昇り立つ備長炭の煙と“かどま酒”と書かれた珍しいレッテルの日本酒が、筆者の舌を誘う。家族やグループ客に人気のテーブル席はほのかな灯りに包まれ、日本酒、焼酎、泡盛など垂涎の美酒が顔を並べる。そんな「炭火焼鳥 酉丸」のモットーは地産池消の酒と料理から地元・門真のお客様と手をつなぐネットワーク作りと、オープン16年目を迎えるオーナーの中尾俊之さんは胸を張る。


「門真は庶民の町です。開店当時は地元の名門Panasonicさんなど電気関係の企業のお客様が主でしたが、今は門真に暮らす市民の方々にも気軽にいらして頂ける酉丸です」
炭火料理の美味しさ、厳選された蔵元直送の酒など酉丸の素晴らしさはすでに地元で折り紙付きだが、中尾さんの魅力はそれだけに留まらない。ここ5年ほど、門真市やお隣りの守口市の料理店・酒販店とともに「飲食店 元気塾」なる勉強会を展開。地域密着型の飲食イベント「かどま元気バル」などリボリューションを巻き起こし、地元の景気復興に一石を投じているのだ。その成果の一つが、門真レンコン焼酎「蓮の宴(はちすのあかり)」。遥かなる悠久の時代から湿地帯だった門真一帯には蓮根畑(沼)が広がり、江戸時代はなにわ野菜の代表格として上方の人たちに愛されていた。近代になって蓮根畑は減少したが、この地産品を目玉にして中尾さんたち有志は門真レンコン焼酎を開発したのだ。



「おかげさまで好評を頂き、第2弾には門真の田んぼで山田錦を育て、これで仕込んだのが“かどま酒”です。まだまだ門真の活性化のためにやるべきことは、たくさんあると思いますね」
 そんなバイタリティーあふれる中尾さんの人となりを、訊き出してみた。


        30歳で門真に城を持つ! 有言実行の元気印オーナー

尾さんの容姿風貌は焼鳥店の頑固オヤジとは一線を画した、お洒落で物腰の柔らかなムード。それもそのはず、料理人を目指す前はファッション関係のアパレル企業に勤めていたのだ。

「大学を卒業し、憧れのアパレル会社に入ったものの、バブル崩壊で業績は急転直下してました。新卒ながらリストラを推進する人事部門に配属され、人好きの性分とは真逆の仕事に疲れ、心が折れていたんです」


自分の作った書類で人が辞めさせられる。そんな刹那的な仕事に中尾さんは見切りをつけ、25歳で会社を退職。一念発起できたのは、高校時代の恩師が同じ門真市の大和田で始めた焼鳥店の手伝いだった。
「素人ながら、子どもの頃から台所で調理するのが好きでした。恩師の焼鳥店では、朝からランチの準備、そして夜中までの居酒屋と118時間近く働きました。そのしんどさに負けたくなかったので、30歳には絶対に自分の城を持とうと決心していました」
あっという間に2年が過ぎてようやく手に職が付くと、次は法善寺横丁の名店で修業。そして中尾さんは、公言通り29歳と11カ月にして酉丸を開いたのである。


オープン時は地元企業のお客様が多かったが、平成20年(2008)のリーマンショック後から状況は一変。サラリーマン客が減る中、地元の家族やグループなどの集客を5割にしようと思った。門真を愛してやまない中尾さんは地域と密着する酉丸の意義を考え、地元のお客様と一体化できるビジョンを考えた。しかし、自分一人の力では不可能。そこで閃いたのが、同じように孤独と悩みを抱えているであろう門真の料理店オーナーたちとの活動協力だった。
「レンコン焼酎やかどま酒だけでなく、日本酒や焼酎のセレクトもお客様の声に気づかされました。造り手の顔が見える、声の伝わる食材や酒を見つけ出し、私たちが丁寧に提供していくことが大事です」
中尾さんの言葉通り、地元の生産者や料理店を市民と結ぶイベント“かどま元気バル”は今年で3年目(年2回開催)だが、しっかりと地元に受け入れられている。


守口門真グルメグランプリを受賞!「手羽れんこん」の美味しさを、まずはご賞味あれ。


さて、酉丸へいらしたお客様に一度は口にして欲しい、筆者おすすめの地産地消メニューがある。それが、第1回守口門真グルメグランプリのチャンピオンとなった「手羽れんこん」だ。地元の子どもたちの食育にもこだわる中尾さんオリジナルの一品で、肉厚な手羽先の中に練り込まれた蓮根の歯ごたえがたまらない! ジューシーかつ蓮根のシャキシャキ感も渾然一体となった旨味には、すっきりしたレンコン焼酎や淡麗な純米吟醸酒がふさわしいだろう。



そして定番人気は、炭火焼鳥の盛り合わせ。こちらは人気のつくねを筆頭に、丹波産の地鶏も用意されている。シメには、イチオシのとりめしだ。絶品の鶏ガラスープとともに、お楽しみあれ!



酉丸の料理は焼き物30種、酒肴や一品を含めると60種類を超える。酒は日本酒13種、焼酎50種、泡盛13種と多彩な品揃えで、平均客単価も4,200円とリーズナブル。
「たまに出かける外食に、必ず来てもらえる門真の味がここにある。そんな酉丸になりたいと思っています」
 子どもが成長し、7年ぶりに酉丸を訪れた家族連れが、
思い出の酉丸の味に感動してくれた。子どもから渡された店の絵に、中尾さんは思わず目頭を熱くしたと言う。そんなあったかくてお洒落な酉丸で、今夜は門真の食と酒をしみじみ楽しんでみませんか。

■ 炭火焼鳥 酉丸(とりまる) https://www.facebook.com/toshiyuki.nakao
大阪府門真市本町9-12
電話 06-6904-6587
営業時間:173025002400ラストオーダー)
定休日:日曜日、祝祭日、お盆・正月

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